2011年7月6日水曜日

7月6日 午後 『「聞き書き」の意義と基本的な方法』 

7月6日は、午前中の安ヶ平義彦氏の『案内人の基本講座』に引き続き、
午後からはコミュニティリーダー養成・起業術コース、奥会津書房 代表・遠藤由美子氏による『聞き書き』の心と、その方法、さらには、自分で本を作ることができるようになる!「和綴じ」のワークショップです。

奥会津に長年住んでいて、遠藤由美子氏を知らない方はモグリでしょう!?・・という位、色々なところで御活躍されています。7月28日の講座「地元学1+2」の講師をお引受け戴いた菅家博昭氏が代表をされておられる【会津学研究会】も、遠藤氏が主催する奥会津書房が事務局となっておられます。

前回の6月30日の講師・澁澤寿一氏が副理事長を努める共存の森ネットワークが主催する、森の聞き書き甲子園』のHPに掲げられた言葉があります。
「聞き書き」とは、話し手の言葉を録音し、一字一句すべてを書き起こして、文章にまとめる手法です。仕上がった文章からは、話し手の語り口や人柄が浮かび上がります。この「聞き書き」を通して(聞き手は)名人の持つ知恵や技、その生きざまやものの考え方を学び、受けとめます。

そして、遠藤由美子氏は、別の視点からも『聞き書き』の素晴らしさを伝えて下さいました。
・・いつもは、お互いがなんとなく同じ家に住んでいても<ちょっと違う>世界を見ているかのような、爺さま・婆さま、に、孫が1枚の写真を片手に『ねえ?、この写真いつの?」「誰?」「…じゃあ、これなぁに?」と問いかけることで、爺さまや婆さまの皺くちゃな口元から、ディズニー顔負けの<ワンダーランド>が次から次へと飛び出してくる・・背中を丸めた耳の遠い爺さまの皮膚の下にはこんなに熱い人生がぎっしりと詰まっていたことを、初めて孫たちが知る。その、お互いのよろこび。・・語り終えた爺婆が『ありがとう』と孫に言うこと。孫世代は圧倒的に『爺・婆がこんなに苦労してきたんだと知った。いつまでも長生きしてほしいと思う』という感想を書き残すことなどを、具体的な例や、朗読を交えてお話し頂きました。

受講生の中には、浜通り地方からの避難中の方も数名いらっしゃいます。その中のお一人が、「今、避難所にいる方のそれぞれのこれまでの人生を、一人一人聞き書きして残しておきたい」との受講後の感想に仰有って、震災で家も職場も、住み続けた地域のコミュニティも喪われた方の、悲しみの重さがドスンと伝わった気がしました。

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